相続というのはややこしく難しいと感じる方が多いと思いますが、相続トラブルはどこの一般家庭でも起こる可能性のあるものです。
これからご紹介する相続における二重資格という言葉も耳馴染みがないかもしれませんが、いつか相続について考えなければならない可能性を考えると知っておいて損はありません。
今回はそんな二重資格とはどういったものなのか、そして二重資格になるケースについて説明していきます。
不動産相続など相続問題のなかでもややこしい二重資格とは?
通常の相続であれば、被相続人から見て、相続人となっている方が不動産などの財産を相続するようになります。
二重資格でも、被相続人の財産を相続することに違いはありません。
ただし二重資格の場合は、一人の相続人に二人分の遺産継承の権利を持っている状態であるという違いがあります。
養子縁組や婚姻などの手続きによって親族関係が複数発生するため、それが二重資格となる原因になっています。
具体的には、孫を養子にしている、養子と実子が婚姻するなどによるものです。
相続の際には、戸籍上の関係によって相続順位や相続分が変わってきます。
配偶者は必ず相続人となっており、第1順位は子ども、第2順位は親、第3順位は兄弟姉妹となっています。
二重資格は、この順位の中で、同じ順位の資格が重複している場合にのみ発生します。
では、次は二重資格となるケースについて紹介していきますね。
不動産相続などで二重資格になるケースについて!その判定方法は?
上記でも説明した通り、二重資格になるのは同位の相続順位が重複している場合です。
例えば、祖父母が孫と養子縁組をしている場合の相続で、祖父母のどちらかが被相続人になったとき。
被相続人の実子Aが、被相続人よりも先に亡くなっていると、代襲相続によって孫に相続されるようになります。
代襲相続は第1順位に含まれており、孫は被相続人と養子縁組をしているので、養子(第1順位)としての立場でも相続がされます。
代襲相続での立場と、養子としての立場の二種類で、同じ第1順位の資格が重複しているため、二重資格が発生します。
また、ある両親の実子の配偶者とその両親が養子縁組をしているケースがありますが、この場合は二重資格が発生することはありません。
具体的に説明すると、実子と養子である実子の配偶者の間に子どもがいないときに実子が死亡し、両親も亡くなっているときに起こる相続では、実子の配偶者は必ず相続人になり、他の相続人は実子に兄弟がいた場合第3順位の兄弟姉妹の方となります。
このとき実子の両親の養子である実子の配偶者には、実子の配偶者の立場と、実子の兄弟姉妹という立場があります。
ですが、配偶者と兄弟姉妹は同位の相続順位ではないので、二重資格が発生することはありません。