不動産の売却を検討中の方は、「瑕疵担保保険」という言葉を耳にする機会があるかと思います。
不動産の売却時に瑕疵担保保険を利用すると、実際にどんな効果があるのでしょうか?
今回は、瑕疵担保保険の概要や補償内容について詳しく解説しますので、不動産の売却をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
不動産の売却時に付保する「瑕疵担保保険」とはどんな保険?
瑕疵担保保険の概要
瑕疵担保保険とは、建物を支える主要な構造部分や、雨漏りの侵入を防ぐ箇所に対して瑕疵が認められた場合に、補修工事費などが支払われる保険です。
不動産の売却時に加入することができます。
なぜ瑕疵担保保険に加入するのかというと、不動産を売却したあとで雨漏りやシロアリ被害などの瑕疵が見つかった場合、売主は瑕疵担保責任を負わなければなりません。
損害賠償や欠損箇所の補修などの対応だけではなく、場合によって契約解除になる可能性もあります。
こういった責任やトラブルを免れるために、瑕疵担保保険が存在します。
ただ、瑕疵担保保険への加入は義務ではないため、個々の判断に任せられます。
瑕疵担保保険の加入要件
瑕疵担保保険に加入できるのは、次の要件を満たした建物です。
●新耐震基準に適合している
●インスペクションに合格している
新耐震基準(昭和56年6月1日)より前に着手した建物の場合、新耐震基準に適合していることを証明できる書類があれば、認められます。
不動産の売却時に付保する瑕疵担保保険で補償される内容は?
瑕疵担保保険の補償内容
補償の対象となるのは、建物を支える主要な構造部分や、雨漏りの侵入を防ぐ箇所です。
戸建住宅(木造・在来軸組工法)
小屋組・屋根版・屋根・柱・土台・基礎・斜材・壁・床版・横架材・開口部・外壁(雨漏りの侵入を防ぐ部分)
共同住宅(鉄筋コンクリート造・壁式工法)
屋根版・屋根・床版・壁・床版・基礎・基礎杭(構造耐力上主要部分)、排水管・開口部・外壁(雨漏りの侵入を防ぐ部分)
なお、保険の対象となるのは物理的瑕疵のみで、心理的瑕疵や環境的瑕疵は対象外となります。
瑕疵担保保険の加入料金
戸建住宅の相場(保証期間1年の場合)
保証金額が500万円の場合、100㎡~125㎡未満で4万円、125㎡~150㎡未満で4.5万円程。
保証金額が1,000万円の場合、100㎡~125㎡未満で4.2万円、125㎡~150㎡未満で4.7万円程。
マンションの相場(保証期間1年の場合)
保証金額が500万円の場合、55㎡~70㎡未満で3.3万円、70㎡~85㎡未満で3.4万円程。
保証金額が1,000万円の場合、55㎡~70㎡未満で3.4万円、70㎡~85㎡未満で3.5万円程。