相続した不動産に根抵当権が付いていた場合、どうすればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
根抵当権には抵当権と異なる特徴があるため、その内容をきちんと確認しておかなければなりません。
今回は、根抵当権と抵当権の違いや、相続する際の注意点を詳しくご紹介します。
相続した不動産に付いている根抵当権とは?
根抵当権とは、あらかじめ決められた限度額の範囲内で何度も借り入れできるという特徴を持つ抵当権の一種です。
通常の抵当権は借入額が明確になっていて返済額や返済日が決まっていますが、根抵当権の場合はそれらが特定されていません。
限度額に達するまでの範囲であれば、借り入れや返済を自由におこなえるのが抵当権との大きな違いです。
根抵当権は多くの場合、企業が利用する権利として知られていますが、個人が相続した不動産に根抵当権が付いていたというケースも珍しくはありません。
また、登記や手続きの手間が省ける点も抵当権と異なります。
通常の抵当権では借り入れのたびに登記や手続きが必要になるため、その都度費用がかかります。
根抵当権の場合は権利が消滅しないので費用や手間がかかることはありません。
そのため、長期的に繰り返し借り入れすることを希望しているなら、根抵当権のほうがメリットは大きいでしょう。
根抵当権付きの不動産を相続したときの注意点
根抵当権付きの不動産を相続するにあたって、いくつか注意点があります。
まず、根抵当権は相続の開始から6か月以内に登記をしないと自動的に元本確定となり、通常の抵当権に変わってしまうのです。
元本確定とは、借り入れと返済を終了し、残りの借金をいつ返済するのかを明確にすることをいいます。
つまり、相続開始から6か月を過ぎてしまうと、それ以降は新たな借り入れができなくなってしまうのです。
もうひとつの注意点には、根抵当権を抹消したいときの手続きに手間がかかることが挙げられます。
根抵当権を相続したくないときは抹消手続きが必要ですが、手続きは金融機関の合意がなければ進みません。
根抵当権は通常の抵当権より取引額が大きくなるため、抹消に合意しない金融機関も多いのです。
抹消するためには金融機関への慎重な交渉が必要なこと、合意を得られるまで時間がかかる可能性があることを考えておくとよいでしょう。