親や兄弟が亡くなり、相続人としてその財産を相続した際に発生する相続税は、計算に複雑な仕組みが用いられており、金額も大きくなりがちな税金です。
相続税に関するトラブルを避けるためには、関連するさまざまな制度についての知識を持ち、それに合わせた対策をおこなうことが重要です。
今回は、相続税の二割加算について、その概要と計算方法、注意点を解説します。
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相続税の二割加算とは？
相続税の二割加算とは、特定の条件を満たした相続人に対してのみ、相続税額が二割加算される制度です。
二割加算の対象者となる相続人は「配偶者ではない人物」「一親等の血族ではない人物」「被相続人の養子となった被相続人の孫」です。
そのため、被相続者の兄弟や姉妹、祖父母、甥、姪、内縁の夫や妻などは相続税が二割加算されます。
このような制度が設けられている理由は、血縁関係の近い相続人と遠い相続人の相続税が同額なのは不自然だと判断されたためです。
また、被相続人の孫が財産を相続すると、相続税を1回免れるために調整が必要だと考えられたことも関係しています。
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相続税の二割加算の計算方法
相続税の二割加算は、文字どおり相続税の金額が二割増える制度なので、加算される金額の計算方法は「相続税額 × 0.2」と単純です。
ただし、実際の相続においては、まず複数のステップを踏んで相続税額を求めなければいけません。
相続税額計算の流れとしてまず求めなければいけないのは、課税遺産総額です。
これは相続税の課税対象となる金額のことであり、正味の遺産総額から基礎控除額を差し引いて算出できます。
次に、課税遺産総額を法定相続分で分割したとみなして、相続税の総額を計算します。
そして、相続税の総額をそれぞれの相続割合にしたがって割り振ると、個人の相続税額が算出可能です。
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相続税の二割加算に関する注意点
相続税の二割加算に関する注意点でまず挙げられるのは、申告しなかった場合のペナルティの存在です。
二割加算の対象であるにも関わらず相続税を加算せずに申告した場合、加算税や延滞税が課されます。
また、相続税対策として孫と養子縁組をする場合にも注意が必要です。
養子縁組をすると相続の順位が上がり基礎控除額も増えますが、すでに解説したように孫養子は二割加算の対象となります。
なお、相続放棄をした場合でも生命保険金や死亡退職金は受け取れることがありますが、被相続人との関係によっては二割加算が適用されるので注意しましょう。
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まとめ
相続税の二割加算とは、特定の条件に当てはまる相続人の相続税が二割増える制度であり、相続税額の不自然さ解消や調整のために設けられています。
加算される金額は、課税遺産総額および相続税の総額を計算したあとに算出できる個人の相続税額に0.2をかけて計算可能です。
制度の仕組みや注意点をしっかり把握し、予想外の出費に慌てないように準備をしておきましょう。
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